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漆喰、売ります

2015. 12. 3

 

■40Lポリバケツを持ってきてください。その中に塗り面積16平米分(畳10畳=カタログ掲載による)の漆喰(田川産業「城かべ」)×1袋を練って差し上げます。

→¥5000/杯(税込み)

■塗りたい壁のところへ伺い、塗り壁自主施工のための相談を承ります。

→¥35000/日(下見+実技含む/あまり遠いところは交通費をください)

左官工事を含む建築設計をしていると、特に予算が厳しい場合、また、施主さんがモノ好きの場合、自分で塗ってみませんかと、問いかけます。そんな悪のりが案外通じてしまい、ではそうしましょうということになります。また、友人知人から、漆喰を自分で塗りたいのでいろいろ教えて欲しいと問い合わせがあります。解る範囲で全て伝えようとしますが、当然のことながら、電話で全てが伝えられるなら、左官職人はいらないということになります。

とはいえ、とりあえずは職人と同じスピードと仕上がりが目的ではないことは確実です。自分の家作りを楽しむのが第一義です。でも、どうせならきちんと分別しておきたいことがあります。材料の選択です。漆喰という材料の選択を見誤ると、左官職人に頼んだ時の塗り壁とは似てもにつかない代物ができあがってしまいます。それらは塗り壁ではなく、厚塗りのできるペンキのようなものです。

漆喰に限らず、珪藻土などを含めて、ホームセンターに在庫されている左官材料には気をつけるべきです。陰口は本意ではありませんが、一言で言うと、これらには「塗りやすさや扱いやすさ」を最大の目的としていることが多く、質感や効能(塗り壁にしばしば期待される吸放湿性能)などは二の次になっているものも少なくありません。

せっかく塗り壁をされるなら、材料はあまり細工のされていないプレーンなものをお奨めします。買い求めやすいところにあるモノは必然的に多くの素人に扱いやすくするために相応の犠牲を払っていると考えるべきです。その原理に従うなら、プロが用いるものであればあるほど間違いがない。また畳10畳分より広い面積を塗るのなら、コスト的にもプロの材料調達ルートを用いるのが得策であろうと思われます。

そして、左官工事を自らやろうとするその入り口は、重労働との戦いでもあります。午前中に材料を手で練るために8割の体力を消耗し、午後には、残り2割で塗ることになります。私自身、これではいけないと思い、2万円をかけてハンドミキサーを購入しました。その後の世界は激変しました。

基本的には、自分で建材屋から漆喰(一袋20kg)を購入し、自分でミキサーを購入し、練り、養生をし、塗り、後かたづけをすることができればりっぱな日曜左官です。ただ場合によっては、とりあえず実験してみたい、ほんのちょっとココを塗ってみたい、などの様子伺いの段階がある。そんなときに、よく練られた漆喰が手軽に購入できるれば、重労働としての左官は確実に愉しい方向へ向かうでしょう。

 

 

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